事業資金の借入について

事業資金を借りるのは、まず、金利の安い日本政策金融公庫からの借り入れを検討するのがよいでしょう。日本政策金融公庫の国民生活事業は、小企業や創業企業に対する事業資金融資をしています。1企業あたりの平均融資残高は651万円で小口融資が主体となっています。

 

日本政策金融公庫には「新創業融資制度」があり、事業開始時または事業開始後に必要となる事業資金の借り入れができます。無担保で、保証人も必要なく融資限度額は1,500万円です。返済期間は設備資金が10年以内、運転資金5年以内(特に必要な場合は7年以内)です。金利は融資期間によって異なりますが、5年以内の場合の基準金利は年3.70%、最低金利は年2.30%となっています。

 

「企業活力強化資金」は、卸売業小売業、飲食業、サービス業を営む人に対する融資で、融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、返済期間は、設備資金20年以内、運転資金5年以内となっています。

 

申し込みたい方はまず、事業資金相談ダイヤルに電話をするか、日本政策金融公庫支店窓口で相談してください。その際、最近2期分の決算書(個人営業は申告決算書)や創業計画書を持参していくとより積極的に考慮してもらえます。相談後の申し込みは、所定の借入申込書に記入し、直接または郵送で提出してください。日本政策金融公庫のホームページでも申込の受付ができます。ただ、日本政策金融公庫の借り入れは、審査に時間がかかるので、十分余裕を持って申し込んでください。

 

次にお金を借りるところとしては銀行や信用金庫になります。融資には「信用保証協会保証付き融資」と「プロパー融資」があります。

 

信用保証協会保証付き融資信用保証協会が「公的な保証人」となる制度で銀行にとってもリスクが無いので、融資しやすくなっています。起業を考えている方や起業して間もない方は、この方法で、資金の調達ができます。

 

プロパー融資銀行の独自の判断で、融資をするかどうか決めるもので、普通は、実績のある企業にしか融資が行われません。「プロパー融資」の一種で「ビジネスローン」がありますが、これは保証人も担保も必要なく、数千万の事業資金を数日の審査で融資するローンです。

 

そのほかにノンバンクのビジネスローンを利用するという方法もあります。ノンバンクの場合は原則来店の必要が無く、銀行よりも審査が早く、即日有し可能な場合もあります。ただ、金利は8.000% 〜 18.000%などと銀行よりもかなり高くなっています。

 

そのほか、消費者金融のフリーキャッシングを利用するという方法もありますが、消費者金融は総量規制の対象になっていますので、すでに年収の3分の1の借り入れがある場合は申し込みができません。

 

消費者金融は手軽に利用できるので、当面不足している数百万の事業資金を借りようと思うかもしれませんが、金利が高いので、資金が回らなくなる可能性が大きくなります。ですからノンバンクのビジネスローンや消費者金融の利用は安易に行わないほうがいいです。まずは、公的機関か銀行からの借り入れを検討してください。

 

事業者ローンの審査基準

ビジネスローンで融資を受けるためには当然審査があり、この審査を通らないと融資が受けられません。ビジネスローンの場合は担保も第三者保証人も必要ないので融資する側としてはリスクが高くなるため、担保のある融資よりも審査は厳しくなります。

 

ビジネスローンの審査に通るためには、最低条件として、申し込みの時点において、税金の未納がないこと、業歴が2年または3年以上あること、最新決算期において債務超過でないことなどの条件を満たしている必要があります。

 

ノンバンクのビジネスローンは銀行のビジネスローンよりも審査がゆるく提出書類も少なくなっています。そのぶん審査も早いので、時間にあまり余裕が無い場合は重宝します。ただし、金利が高いので利用には注意が必要です。

 

ビジネスローンを利用する場合は、1期〜3期の分の決算書の提出が必要になります。決算書により、会社の安全性や収益性などが分析されます。また、審査においては、売上規模や売上推移、自己資本比率などだけでなく、代表者等の役員に対する報酬の支払状況、代表者等の収入状況や資産内容、保証状況と保証能力、経営者の能力や業界内でのその会社の地位、技術力、販売力や成長性等なども考慮されます。このような情報がポイント化され、ある一定のポイントを満たせば融資が受けられるようになっています。

 

決算書は審査が通るかどうかに大きく影響しますが、そのほかに3年〜5年間の「経営計画表」や「資金繰り表」などの提出も融資を受けるのに有利になります。審査基準は銀行やノンバンクの企業が独自に決めていますが共通していえるのは、経営状態、経営体制、負債状況、収支バランスなどがチェックされることです。

 

また、赤字経営だたりすると、なるべく審査の甘い金融会社を利用したいのは当然ですが、個人事業主を狙った審査の甘い悪徳業者もありますので注意してください。そうしたヤミ金業者の中には、大手消費者金融や信販会社、銀行などの名前を社名の一部に取り入れているものもあります。申し込みをすると、契約事務手数料が請求されお金を騙し取られるというケースもありますので十分注意してください。

 

多重債務がある場合について

個人事業主が多重債務に陥る場合があります。多重債務というのは、貸金業者からの借り入れやクレジットの利用により多額の借金をかかえ、借金返済のためにさらに借金を重ねていくことです。病気や事故などの予期せぬ出来事によって借金を繰り返し多重債務に陥ることもありますし、事業の資金繰りのために借金をして多重債務になるというケースもあります。

 

銀行から融資をうけているものの多重債務に陥り、もうこれ以上返済ができないという状況になっているなら、銀行にリスケジュールを申請して対処することができます。リスケジュールによって毎月の返済額を減らしてもらったり、金利だけの返済にしてもらうことができます。

 

また、多重債務に陥っている人を支援するために 「個人再生法」というのが平成13年4月から導入されており、個人事業者や給与所得者が自己破産せずに生活を再建できるようになっています。

 

個人再生法
住宅ローンを除いた債務総額が5000万円以下で、継続的な収入の見込みがある債務者が、債務の一定額を原則3年間で返済する計画を立てて、その計画が裁判所から承認され、期間内に計画通り返済すれば、残債務の免除が受けられるという制度です。

 

「個人再生法」には、「小規模個人再生」というのがありこれは、自営業・一次産業者を対象としたもので、支払いは最低弁済額しか支払わなくてよいことになっています。ただ、全債権者の過半数以上の反対があれば成立しません。

 

「小規模個人再生」の場合、ローン中の住宅が競売にかけられることはなく、一定の条件を満たせば住宅を手放さずに生活を再建できるというメリットがあります。また、再建計画を裁判所が了承すれば誰でも受けることができます。ただし、「小規模個人再生」は5000万円以下の債務に関してのみ適用されるものです。

 

多重債務に陥った経営者が一人で悩み、ヤミ金に手を出したり自殺をするケースもありますが、多重債務から抜け出し事業を再開した経営者もいます。多重債務に対処することは可能なので、公的な無料法律相談なども利用して解決策を探ってください。

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